HISTORY

シフォンを食べることも作ることも大好きな私。

独学で製法を研究し、シフォンをメインに焼き菓子販売を始めたのは2007年のことです。

開業してからもあちこちのシフォンを食べ比べ、あるときはレシピを1から作り変えたり。

知れば知るほどシフォンの世界は奥深い、それなのにとっても親しみやすいお菓子だなと感じました。

のど越しがよくいくらでも食べれてしまいそうなふわふわ食感は老若男女に好かれています。

軽いので1ホールをあっという間に1人で食べてしまった…というお客様のお話をよくお聞きします。

でもそのやさしい印象とは裏腹に、普通のシフォンにはお砂糖もたっぷり、グルテンフリーじゃないし、栄養価はカロリーくらい?

シフォンはとってもずるい(くらい魅力的な)おやつです。

だから目指したのは「そのやさしい見た目を裏切らない、中身もやさしいシフォンケーキ」

まだケーキ屋を始めたばかりで小2と年中の娘を連れて朝市でケーキを売っていたころ。

ひとりのおじいちゃんが店の前に立ち「そのきいないの、ひとつちょうだい」と言いました。

次女が小さい声で「きいないのってなに?」と聞いてきて「プレーンシフォンのことだとおもうよ」とコソコソ答えておじいちゃんに渡すとにっこり。大正解。

「お母さんよくわかったね!すごーい!」と大はしゃぎの娘たち。

きいない=黄色いという方言を知っていたわけじゃないけれどとっさに「この中できいない(黄色い)のはこれ!」と思った覚えがあります。

それ以来その方が朝市に来ると「お母さん、きいないさんきたよ!」と子供たちが真っ先に教えてくれるようになりました。

いつもひとりでとことこ歩いてきてきいないのを一つ買ってくれ、一言二言おしゃべりして帰っていくおじいちゃん。

私もきいないさんが来てくれると思ったら寒い日も暑い日も休めないと思ってがんばっていました。

ところがある日きいないさんはいつものようにお店の前に立ち「もうきいないの、食べられなくなった」と。

どうもお医者さんに「甘いものはだめ」と言われたらしいのです。

こうして私にとって初めてできた常連さんは朝市に顔を見せなくなってしまいました。

あれから月日がたち、子供たちは巣立ち、私もお店をもつことができました。

でもこのときの悲しい気持ちがずっと心のどこかに残っていました。

栄養があって体にやさしくてお年寄りも小さい子供も愛犬も一緒に楽しめる。

いつかそんなやさしいシフォンケーキをつくりたいと思ったのはこの思い出がきっかけです。


年を重ねてわかる「おやつは長い友達」です。

忙しい毎日の中おやつでほっと一息は大事な時間。


糖質制限中の家族や友達みんな一緒に楽しめる低糖質シフォンはおやつの理想形。

シフォンが大好きなお客様なら末永くおやつタイムを楽しむために低糖質シフォンを選んでほしい。

シフォンマニアだからこそたどり着いた私なりの結論です。